旅ラプきろく帳

海外テーマパーク弱ヲタが、自分が読みたい事を書いてます…2016年9月オーランド旅行記更新中

USJ『ザ・フライング・ダイナソー』を限界点まで解説

USJフライング・ダイナソーの舞台裏を考察する - 旅ラプきろく帳 でフライング・ダイナソーの設定考察(妄想)について書きましたが、次はジェットコースターとしてはどんなアトラクションなのかまとめてみます。
と言っても実際に見たことも乗ったこともないのですが、乗りたいな〜〜という怨念をこめて乗ってないのに限界点まで解説にチャレンジ。

このアトラクションは「フライングコースター」という、うつ伏せになった状態で体験するジェットコースターに分類されます。

世界初のフライングコースターはイギリス・マンチェスターにかつて存在した『Granada Studio Tour』というテーマパークにあった『Skytrak Total』でした。1997年にオープンしてなんと翌年にクローズ。

1人乗り。マヌケ…

この短命コースターを皮切りに、以後フライングコースターは世界のあちこちで作られます。
今は亡き富士急ハイランド「バードメン」もその一つですが、急停止事故でクローズした後に変わり果てた姿に変貌しました。

さて最新・世界最長・世界最高の高低差を誇るフライング・ダイナソーですが、最も比較されるべきはやはり2015年7月にオープンしたばかりのナガシマスパーランド『アクロバットでしょう。

こちらのコースターはスイスのジェットコースターメーカー「Bolliger&Mabillard(B&M)社」製だと公式からアナウンスされています。オーランドのシーワールドにある「マンタ」をそのままもってきたものです。
こちらのニュースサイト"CORSTER101"に「マンタのクローン機が日本に建設される」とあるので、コースのアレンジはあるにしろコースター自体は全くの同機種だと思われます。
上がアクロバット、下がマンタ。見事にそっくりw

フライング・ダイナソーはどこのメーカー製なのか?!
知りたくてあらゆるメーカーのフライングコースターの画像とベルトの作りやら車輌間の距離やら比較してみたけど、わからん…
と思ったらこちらにあっさりナガシマと同じB&M社製だと書いてありました。他にも数社、フライングコースターを作っているメーカーがあります。

上がアクロバット、下がフライングダイナソー。並べてみると装飾は違うけど同じ!

32人乗りの編成もアクロバットと同様ですが、細部の装飾をジュラシック・パークテイストに変えていますね。というかベルトとか血眼になって比較する前に、頭にプテラノドンの模型ついてる時点でアクロバット、マンタと同型だと気づけたよね…

新アトラクションどないしょ〜となった時、あの型(おそらくマンタの方)を見て「プテラノドンに掴まれて振り回される人間」をイメージした企画者は天才ですね!!
映画『ジュラシック・ワールド』で翼竜に連れ去られる人間がすごく印象深いシーンだったので、新アトラクションのコンセプトに起用したのは大成功だと思いました。


クロバットの総工費は50億円で、通常の大型コースター総工費が20〜40億円あたりであることを考えるとちょっとお高めです。
同機種であるフライングダイナソーも総工費100億円のうち半分以上はコースター本体の費用だと考えられますが、それにしても高い。
装飾が非常に凝っている室内コースター「リベンジ・オブ・ザ・マミー」(USF)が2004年当時の総工費で約44億円であったことを考えてもかなり高いと言えます。
スローガン通り、世界最高クラスの最新コースターの導入に踏み切ったんですね。装飾がさほど凝っているわけではないので、コースター本体に相当のこだわりがあるガチ路線です。

(ちなみに『ハリー・ポッター・アンド・ザ・フォービドゥン・ジャーニー』はさすがの総工費450億円でした。スパイダーマンは140億円。あれ、意外と低コスト?!)
【訂正】→ハリーポッターはエリア全体で450億円の誤りでした…アトラクション単体は150億円でした。失礼…

では、機種は同じということを踏まえてスペックを比較してみます。公式発表から。

まずはナガシマの『アクロバット
総工費 :約50億円
全長 : 1021m
最高速度: 時速90km

最高地点: 43m (落差不明)
最大勾配: 360°
乗車時間: 約180秒
最大荷重: 4.09G
総回転数: 4回

続いてUSJザ・フライング・ダイナソー
総工費 : 約100億円
全長 : 1124m
総回転数: 5回

最高速度: ?
最大落差: 37.8 (最高地点の高度不明)
最大勾配: 360°
乗車時間: ? (約180秒と推定)
最大荷重: ?

うーーーん、公式情報が少ない…
「とりあえずアクロバットより増して!!」とB&M社にオーダーしたことは間違いないです。
総回転数というのはギネスブックの認定基準によると「足が頭よりも上にくる回数」、このコースターの場合は360度ひねりながらの宙返りです。
ちなみに総回転数世界第1位は富士急ハイランド『ええじゃないか』の14回ですが、こちらは座席自体が前後にぐるんぐるん回る回数も含まれています。私はこの"四次元コースター"というタイプがちょっとだけ苦手です……わけがわからないまま終わるから…。


ところで、フライングダイナソーはどの座席に乗るのが一番楽しいと思いますか?

ジェットコースターの座席位置は最前列が怖いと思いがちですが、座った状態で固定されるノーマルなタイプは最前列が一番怖くないです。
最も楽しいのはなんといってもファーストドロップですが、最前列はじりじりと前方へ傾いてから落ちるので実際のドロップの高低差が短くなってしまい「ん?思ったよりしょぼい…」となりがちです。
反対に後ろの方の座席は落下直前の位置が最高地点になるので、ファーストドロップはもちろん、キャメルバック(山を登り降りするポイント)の度に浮遊感をたっぷりと楽しめます。
通常、ジェットコースターを最大限楽しむなら後部座席に乗るべきなのです。

しかし、フライングダイナソーでは間違いなく最前列が一番楽しいと思われます。

フライングダイナソーの最大落差37.8mというのは大型コースターの中では決して高い方ではなく、例えば富士急ハイランドFUJIYAMAが79mナガシマスパーランドのスチールドラゴン2000に至っては97mあります。
さらに各車両が独立4人×8両編成とかなり縦に長いタイプなので、普通に考えると最前列はかなり落下距離が短くなりつまらないのではと思うのですが、フライングダイナソーは首・腰を完全にホールドされる宙釣り型コースターなので、そもそも高低差によって起こる浮遊感を楽しむタイプのジェットコースターではないのです。

フライングダイナソーのウリはなんといっても「レールが見えないことによるコース予測のつかなさと、空を飛ぶような爽快感」でしょう。

そのため視界が全て開けている最前列が圧倒的におすすめです。レールが見えず前に車両もないので進行方向も一寸先すら読めません。これはすごく楽しいはず!!
2列目以降になった場合はできるだけ後ろの方がドロップ時にスピードが出ますが、浮遊感のないタイプのコースターなのでたいした差はないと思います。1/16で最前列に当たることを祈りましょう。


まだ、フライングダイナソーは見た目がかなり怖そうなので乗れない…という方もダマされたと思って乗ってみてください。
ジェットコースターが苦手な人に何がイヤなのか聞くと「ふわっと浮く感じが嫌!!」という方が多いですね。例えば平面でのスピードやGは平気でも、浮遊感が続くことが「怖い」と感じるようです。
フライングダイナソーは先述の通り、落下距離が比較的短く浮遊感を感じにくいタイプのコースターなので、ジェットコースターが苦手な人でも比較的楽しく乗れると思われます。


フライングダイナソーとアクロバットの乗車映像を見て比較したところ、両者共にファーストドロップの後ひねり始めるまでアクロバットが約1秒後、フライングダイナソーが約2秒と少し差がありました。
個人的にはすぐにひねってしまうとファーストドロップの高度が楽しめなくて残念なので、フライングダイナソーの方が好きな気がします。
でも宙釣り系コースターは落下時ひたすらGがかかってくるからすぐにひねって逃がした方が気持ちいいのかな。

というわけで、USJの最新アトラクション『ザ・フライング・ダイナソー』乗ってない人の解説でした。
早く乗りたい!

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